いちいち応えてられない

「そういえばさぁ、高校の同級生に○○っていたじゃん?」

「あぁ、いたね」

高校からの腐れ縁で長いこと付き合いがあり、今では同じ職場で働いている友人から急に尋ねられた。

「そいつさぁ、結婚するみたいなんだよね。で、式の案内が来たんだけど…… お前のところって来た?」

「あぁ、来たよ」

「やっぱり!? で、どうすんの? 行くの?」

「行かねぇよ」

僕はきっぱりと答えた。

「お前っていいよな。そう単純に物事決められてさ」

どうやら友人は式に行くべきかどうか悩んでいたようだった。そこで僕は行くのかと気になり声をかけたのだった。

「何? お前行くの?」

「いやぁ、だって断りにくいだろ、結婚式って」

「でも行きたくないって?」

「まぁ、正直言うとなぁ。面倒だわ」

「じゃあ行かなきゃいいだろ」

「だよなぁ……」

式の案内が来たことすら驚きの相手だった。だってもう10年近く会ってないのだ。何度か電話やメールはもらったが、僕も友人もそいつと会うのは久しぶりも久しぶり。それが結婚式だなんて重すぎる。それに高校の時も親友ってほど仲が良かった訳でも無い。バイト先が一緒で少し話すようになり、それから放課後は一緒に遊ぶようになった。卒業後はたびたび会って遊んでいたが、仕事の付き合いが増えてくると疎遠になった。そんな人たちの誘いに全て応えていたらキリがない。だから僕は行かない。

心じゃそんなことを思いつつも世の中の人は我慢して参加してるって人は多いだろうなぁ。僕はそういうのは嫌だし、そういう思いをさせるのも嫌だ。だから結婚式もやりたくない。結婚相手に特別な条件は持ってないが、あげるとすれば結婚式に興味が無い人だな(笑)。

僕がこれまで参加させてもらった結婚式はほんとごくわずかだ。今回の同級生の結婚話を振ってきた友人に、職場の同期に先輩、一部の趣味友だち、それくらいだ。親戚とも付き合いはほぼ無いから、連絡があっても仕事を理由に断ったりしてる。

「やっぱ行っても何話していいか分かんないもんなぁ。お前が行くならって思ってたけど、やっぱ俺もやめとくか」

悩んだ結果、結局友人も行くのはやめたようだ。いいと思うそれで。電話で「結婚おめでとう」って伝えてやったし、それで良いんじゃないかと。